
実家があった町周辺の家には風呂がないのはあたりまえ。なんで、ここらあたりの人達はみんな銭湯通いだった。同級生のM君ちが銭湯をやっていた。夜の歓楽街に近いせいもあって、夕方前に風呂に行くと出勤前のお水な人達でいっぱいだった。このお水な人達は気前もよく、風呂上がりにアイスやジュースをご馳走してくれた。その代わりに人生論みたいなもんもいっぱい聞かされた。本来だと入れ墨お断りだろうが、そんなことおかまいなしで、なかにはドジって小指が無い人も居た、かと思えば良識のある人達もいっぱい居た。子供だったからよくはわからんかったことも多かったけど、ココで学んだことは数多い。「銭湯すたれば人情もすたる」となんかで読んだことがあるけど、まさにそう思う。大人も子供もみんなココで汗や嫌なことを洗い流してた。この『一の湯』残念ながら今は営業してない。