2020年7月12日日曜日

描写が持つ力

かれこれ40数年前、同じ時期にサーフィンを始めた、ひとつ年上のS田さん。
あの頃は波があれば、お互い間違いなく同じ場所に居合わせた。
切磋琢磨にしてサーフィンの技術を向上させるのに一生懸命だったし、
毎日が底抜けに楽しかった。

オレがサーフィンをサボってた20数年の間で身体を故障してしまったらしく、
サーフィンを引退したらしいと、、、。
それが4年ほど前に岩瀬浜の駐車場でバッタリ会った。
向こうから『ノムさんじゃない?』と声をかけてきた。
最初、どこのオッサンよって思ったけど1秒後にすぐS田さんとわかった。
その時に引退するまでの経過を聞いて、すごく残念に思った。
そして電話番号を交換して別れた。

同じ頃、インスタグラムを始めたら彼がヒットしてフォローを始めた。
その頃はアクリル板を使って彫刻した自身の作品をアップしてて、
それ見てるだけでもすごくて楽しかった、たまにコメントを入れたりして、、、。
3年くらい前から、彫刻作品よりも鉛筆画や色鉛筆画の描写が増えてきた。
その技術も含めて描写力には驚かせられた。
絵の素晴らしさはもちろん、それに付けられてるキャプションもいいのだ。

'18年の暮れになにげに撮ったマイ・サーフボードの写真をインスタグラムに上げたら、
彼からメッセージが届いて『この写真を絵の素材にしたいから、使ってもいいか?』と
なにも考えず『いいっすよ』で終わった。

最近インスタグラムを覗いたら、その写真が描写されてアップされていた。
すごく嬉しかった。さっそくコメントを入れてメールで分けて欲しいと、、、。
その後は順調にやりとりも進み、額装もお願いした。

昨日、岩瀬浜で絵の受け取りをした。
その時に彼はいっぱいのスケッチブックを持ってきていて、その全部を見せてもらった。
彼の歴史や思いがいっぱい詰まったものだった。見てる途中、目頭が熱くなることもあった。それは線1本1本、点ひとつひとつに込められた思いがひしひしと伝わる作品だったからだ。そしてサーファーだった彼にしか描けない視点はサーファーにしかわからない作品だったことを付け加えておこう。

S田さん、ありがとうございました。これからも人を感動させられる作品を作り続けてください。











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