テレビ時代劇「鬼平犯科帳」のエンディングロールで使われてたGipsy Kingsの「Inspiration」をウクレレでどこまで弾けるだろうかと急に思い立って、チャレンジしてみたのが夏の終わりのこと。とにかく難しかったけど、耳コピ目コピをいろいろ駆使して、1ヶ月ほどで形なった。コピーの作業中に新しい発見がいっぱいあったのは楽しかった。
自分のライブラリには「Volare」「Inspiration」「Djobi Djoba」などの代表曲が収録されてるアルバム「Gipsy Kings」「Mosaique」の2枚しかなく、いかにも俄かファンであったことは否めない。それも数十年間もね(笑)
それはさておき、先月ウクレレ合宿の帰り道に一緒に行ったヨネちゃんと、この2枚を3時間もヘビロテ。特に印象深く残った曲が「Liberte」。旅の終盤はこの「Liberte」を数回リピートする始末(笑)「Liberte」を奏でるTonino Baliardoのギターが旋律がたまらなく強く美しく、そして悲しい。メジャー・スケールからマイナー・スケールに変わるところなんてたまらんね。マジにGipsy Kingsのファンになろうとした瞬間でもあった。日本じゃ某ビール会社のCMに使われてるから、陽気なおじさんバンドに見られがちだけど、ちゃんと陰陽を持ち合わせた南フランスのおじさん達(年齢はオレと変わらないけど)なんだよね。
11月の終わり頃からアルバムを買いあさり始めた。すべて中古CDではあるけど、、、。それが今日全てのオリジナルアルバム(ライブ盤以外)12枚が揃った。それも日本未発売のアルバムも4枚含めてだから、我ながらよく頑張ったかな(笑)
まだ全曲熟聴したわけではないけど、どれも素晴らしいと言える。もちろんNicolas Reyesの歌物も良いが、Tonino BaliardoがNicolas の歌唱に絡むイントロやカウンターメロディー的に繰り出されるオブリガードは秀逸。その中でも一番外せないのがインストゥルメンタルだ。インストものだけでも40曲は超えるわけで、、、。ハンガリアン・スケール(音階)などから繰り出される、旋律の全てが南フランスやスペインの香りを鼻ではなく耳で感じることができる。
自分の音楽史の中で1位2位を争うんじゃないかと思う旋律が、アルバム「Love and Liberte」に収められてるタイトル曲「Love and Liberte」だろうな。つい此間この曲を初めて聞いた時、数年に一度あるかないかの衝撃を受けた、と言うか一瞬にして恋に落ちてしまった。
抽象的な話になるけど、旋律に恋をするたび、もしその曲に扉があるならば、その秘密の扉を開けて、その旋律の中の景色を見てみたいと。その旋律への片想いの恋は扉を開けることで成就するのではないかと、子供の頃からずっーと思ってた。あるはずのない、その扉を半世紀以上探し続けてる間抜けな男ではあるが、、、。
この冬はじっくりとGipsy Kingsの熱い「旋律」を楽しみたいと思う。