普段から読書とは縁遠いけど、数年に2~3冊読むこともある。
10年近く前になるだろうか、この『カストロ 銅像なき権力者』を読んだのは・・・筆者は先月末にお亡くなりになられた戸井十月さん。バイク乗りでも有名な人だ。
本の導入部はキューバの当時の社会情勢が書かれており統計的な数字がたくさん出てきて、さっぱりわからないので読むのをやめようかと思ったくらいつまらなかった。
それでも金払った分だけは読んでみようと思い読み続けてみたら、どんどんと深みハマっていった。筆者がキューバで実際にフィデル・カストロに会うまでの時間の中で思ったことを裏付けられた資料を元に書き綴った内容の本。なにかと日本では権力者の銅像やモニュメント的な物を目にするが、筆者の行った先にはチェ・ゲバラのそのたぐいの物はたくさん目にしてもカストロの物は一切無かったと書かれている。カストロは権力者には違いないのだが、政治をちゃんとした職業にしているように思える。それにひきかえ日本のお偉方や官僚らはどうよ、権力を職業にしているのでは??と言いたくなる本なのだ。
タウンページを見ても『権力』と言う職業はみつからない(笑)
リスペクトしてやまない人がまた一人旅立たれた。
去年の暮れに亡くなった映画監督の若松孝二さんにも言えることだけど(思想や宗教感は別として)日本のアウトサイダー的な人材が失われるのは本当に残念だ。