2022年12月13日火曜日

メロディーではなく、あえて「旋律」と書こう

 テレビ時代劇「鬼平犯科帳」のエンディングロールで使われてたGipsy Kingsの「Inspiration」をウクレレでどこまで弾けるだろうかと急に思い立って、チャレンジしてみたのが夏の終わりのこと。とにかく難しかったけど、耳コピ目コピをいろいろ駆使して、1ヶ月ほどで形なった。コピーの作業中に新しい発見がいっぱいあったのは楽しかった。

自分のライブラリには「Volare」「Inspiration」「Djobi Djoba」などの代表曲が収録されてるアルバム「Gipsy Kings」「Mosaique」の2枚しかなく、いかにも俄かファンであったことは否めない。それも数十年間もね(笑)

それはさておき、先月ウクレレ合宿の帰り道に一緒に行ったヨネちゃんと、この2枚を3時間もヘビロテ。特に印象深く残った曲が「Liberte」。旅の終盤はこの「Liberte」を数回リピートする始末(笑)「Liberte」を奏でるTonino Baliardoのギターが旋律がたまらなく強く美しく、そして悲しい。メジャー・スケールからマイナー・スケールに変わるところなんてたまらんね。マジにGipsy Kingsのファンになろうとした瞬間でもあった。日本じゃ某ビール会社のCMに使われてるから、陽気なおじさんバンドに見られがちだけど、ちゃんと陰陽を持ち合わせた南フランスのおじさん達(年齢はオレと変わらないけど)なんだよね。

11月の終わり頃からアルバムを買いあさり始めた。すべて中古CDではあるけど、、、。それが今日全てのオリジナルアルバム(ライブ盤以外)12枚が揃った。それも日本未発売のアルバムも4枚含めてだから、我ながらよく頑張ったかな(笑)

まだ全曲熟聴したわけではないけど、どれも素晴らしいと言える。もちろんNicolas Reyesの歌物も良いが、Tonino BaliardoがNicolas の歌唱に絡むイントロやカウンターメロディー的に繰り出されるオブリガードは秀逸。その中でも一番外せないのがインストゥルメンタルだ。インストものだけでも40曲は超えるわけで、、、。ハンガリアン・スケール(音階)などから繰り出される、旋律の全てが南フランスやスペインの香りを鼻ではなく耳で感じることができる。

 自分の音楽史の中で1位2位を争うんじゃないかと思う旋律が、アルバム「Love and Liberte」に収められてるタイトル曲「Love and Liberte」だろうな。つい此間この曲を初めて聞いた時、数年に一度あるかないかの衝撃を受けた、と言うか一瞬にして恋に落ちてしまった。

抽象的な話になるけど、旋律に恋をするたび、もしその曲に扉があるならば、その秘密の扉を開けて、その旋律の中の景色を見てみたいと。その旋律への片想いの恋は扉を開けることで成就するのではないかと、子供の頃からずっーと思ってた。あるはずのない、その扉を半世紀以上探し続けてる間抜けな男ではあるが、、、。

この冬はじっくりとGipsy Kingsの熱い「旋律」を楽しみたいと思う。



2022年11月5日土曜日

Blue Moon

 天文学的なことは全くわからない。サーフィンをしてるから月は意識するけど、どちらかと言うと月の満ち欠けによる潮の満ち引きが気になるくらいで、、、。

中秋の名月や十五夜お月様、スーパームーン/ピンクムーン/ブルームーン 名前は知ってるけど、定義なるものをよく知らない。で、いろいろ調べてると面白いことに気づいた。ブルームーンって同じ月に満月が二度ある二度目の満月を「ブルームーン」って言うらしく、昔は二至二分(夏至冬至春分秋分)各季節に稀に四度満月がある場合の三度目がブルームーンって言ってたらしい。で、実際は青く見えない(空気中の塵や埃に影響して月が青く見えることもあるらしいけど、それをブルームーンとは言わない)ピンクムーンは名前の通りピンクっぽく見えるけど。

ブルームーンが見れるのは50年で約24回ほど、だから2年に1回程度の確率なんだって。満月から満月までのサイクルが29,5-----日だから2月にはブルームーンがほぼないってことがわかる。逆に31日ある月は可能性が高いのか、、、。ブルームーンに関しては国や宗教で考え方も違うけど、わりと良い捉え方のほうが多い。めったにないことだからね、願い事が叶うって捉えてるのがもっともポピュラーかな。

来年2023年に見れるブルームーンは8月31日オレの誕生日だって、なんか嬉しいじゃないか。それもスーパームーンと同時らしい。いまから願い事を考えとこ(笑)これを見逃すと2026年までないらしく、その次が2029年だとさ。

前置きはここまで。調べてるうちに無性にブルームーンの絵を描きたくなったから、オレなりの解釈とタッチで描いてみた。これで毎日願いが叶うかも(笑)


あと、潮の満ち引きを題材にしたものとピンクムーンも描いてみた。



誰が唄う「Blue Moon」を聴こうかな。

2022年10月10日月曜日

マイルズ・テラーを検索したら

 中学1年生だったと思う。今は亡き友達とこの映画を観に行った記憶がある。世界中で大絶賛された「ゴッドファーザー」興業記録を塗り替えるなどなど、、、当然アカデミー賞も多々受賞。観たはいいけど日本の中学生には理解しづらかったことも記憶にある(笑)その後、テレビ放映やレンタルビデオ、DVDなどなどで10回以上は観たと思う。観るたびにこの映画の素晴らしさに気付かされて、結果この映画の大ファンになった。

先日らい「トップガン・マーベリック」を映画館に3回観に行った。「トップガン」でマーベリックの盟友役を演じていたグースの息子役のマイルズ・テラーがすごく良かった。先に「セッション」「オンリー・ザ・ブレイブ」観てたのもあってすごく惹かれる役者だった。

加入しているサブスクリプションの U-NEXTで彼を検索すると面白いものがみつかった。

今年が「ゴッドファーザー」初上映から50周年らしく、それの言わばスピンオフ・ドラマが本国アメリカで制作・放映されてたみたく、それが今年の夏から日本(U-NEXT)でも観れるようになってたのに気づいたのがつい先日マイルズ・テラーを検索したから、、、。

「ゴッドファーザー」がどのように作られていったのかを描いてる、60分ものが全10話。この映画について知ってるのはマーロン・ブランドが撮影当時48歳だったとか、ほっぺたにティッシュを詰めてたことしか知識がなかったから、このドラマはファンにはたまらなくて、半分は脚色されてたとしても「ゴッドファーザー」の製作過程の史実が垣間みれるのは楽しかった。ドラマを観終わったあと、すかさず「ゴッドファーザー」も観た(笑)

友達とこの映画を観てから50年も経ってるのに、ついきのうのようにしか思えない。

          





2022年9月22日木曜日

読書、その後

 前回の投稿の『片岡義男とオレ』のその後、興味のあるタイトル(小説)を手当たり次第読んでみた。今現在発刊されてるのは小説だけでも626冊、エッセイや書評を加えると全部で2000冊弱。

 若い頃、読んでたのは発刊順で100番前後の物が多かった。その頃もタイトルに惹かれて読んでたことを記憶している。

 いろいろ読み進めてくうち、すごく面白い仕掛けに気づいた。それがこの2冊の『波が呼ぶんだよ』と『水平線に時を読む』発刊ナンバーが 85(1980年初出)と377 (1993年初出)となる。サーファーや海好きなら必ず読みそうなタイトルに間違いない。『波が呼ぶんだよ』(短編)を先に読んだから、この面白い仕掛けに気づけたのはラッキーだった。ここではその仕掛けをあえて書かないけれど(面倒くさいから(笑))、、、。

 物語は淡々と進んでいく、とりわけクライマックスがあるわけでもなく、感動もしないのだけど、心の中が静寂に佇む、感じが得られた。





こんな仕掛けがあるとなると、発刊順に読まないと、、、よわったな(笑)





2022年8月30日火曜日

片岡義男とオレ

書きたいことがいっぱいある、、、。とりあえず「片岡義男 」書いとこ。

20代は半ば過ぎまでは波乗りとオートバイに没頭していた。そのおかげで片岡義男の小説に出会った。少し音楽の影響もあって、22~23歳に30冊から40冊くらいは読んだだろうか、、、。

お盆に紀伊半島を自転車輪行旅をした際に、仲間のヨネちゃんと片岡義男の話になった。いろいろ話してると無性に片岡作品を読みたくなった。とは言え、手元には一冊も残ってなくて、本を買おうかと悩んだけど直ぐに読みたかったので電子書籍にした。とりあえず昔読んだタイトルを4冊をデジタル購入。うっすらとストーリーは覚えてるものの、おのおののストーリーがちゃんぽんになってたりして、読み進めてくのが楽しかった。それよりも40年の歳月を経て読み返すと、当時読んでた心持ちとはかなり違って感じたことがなによりの収穫でもあった。

もともと読書がそんなに好きなわけでもなく、波乗りとオートバイが好きで読んでたわけだから、、、。オートバイを描写するのに固有名詞は出てこず、排気量だったり、エンジンやエグゾースト音のディテールが表現されてて、それだけでバイクの固有名詞がすべてわかった。また、一つの波に乗るまで何十ページも割いて書かれてることには、ちょっとウンザリすることもあったけど、今はそれくらいのペースがちょうど良く感じたりもする。とりわけ気に入ってるのが男女の距離感、男女と言うよりは彼と彼女って言ったほうが「片岡義男」っぽいかな(笑)

片岡義男を読み漁ってた頃と何が違うんだろうって考えたけど、オートバイが自転車に変わったくらいで大きな変化はないが、いまだ波乗りも音楽もずっと現役でいられてるしね。しいて書くなら、彼と彼女の距離感はなくなった(笑)下戸ながらもビールの話には酔えたりもするし(笑)コーヒーが飲みたくなるのはずっと変わらない。

片岡義男と言う物書きに憧れてるわけではなく、小説に登場する人物達の思考や志向のそれぞれが好きなのだと、、、。そして秋の夜長は夏の終わりに始まった、すでに9冊読み終えた(笑)

追記:Amazon Kindleで電子書籍を買ってたら割と高く付いたんで、片岡義男.comに1万円払ってプレミアム会員に登録したら全書籍未来永劫読み放題になった。さらにTシャツと片岡義男の盟友 佐藤秀明の「lonesome cowboy」の素晴らしい写真集が送られてきた。



2022年7月4日月曜日

曲線(カーブ)

アートをやり始めてからまもなく3年。

ジャクソン・ポロックを真似てやったのが最初で、その後アクションペインティングやポーリングアート(流体アート)に夢中になって、なにげにいっぱい描いた。               

そんな中、岡本太郎先生の「太陽の塔」に代表される彼の曲線の描き方に心惹かれた。なんどもなんども繰り返し、その曲線を描いてはみるが納得いくものが描けない。      それが当たり前なのはわかるが、近づくどころか逆にどんどん遠のいてるとも感じる。    

そんなこんなで、今年の春先に筆を使って、自分のテーマでもある「S字カーブ」をいろいろ描いてみた、コレが意外にも楽しかった。5月に投稿した記事にあるように、コピー紙の横を見ることでたくさんのヒントが得られた。太郎先生とはかけ離れてるけど、楽しく描けてるから良しとしよう。

とは言え太郎先生の曲線はこの先もずーっと描き続けるであろう。

まずは完成品

なにげにスケッチブックに描いてみる、5分ほどで描けた。
B4サイズのスケッチブックをA3に拡大コピーして、カーボン紙を使って画面に転写。

周りの余白に延長の線を感覚的に入れる。
あとはイメージを塗り絵的作業で。
大体のカラーイメージは出来てるので、どんどん塗り絵を進める。

一番、入れたかったウクライナカラーを右下に。
ほとんどがフリーハンドで塗るけど、カーブを印象づけたいところはテープを使って。
途中、マイナーチェンジも数回。
作業が進むほどに難度が上がる。
最後のマイナーチェンジ。
そして完成。
タイトル「チンとポコ」(笑)

2022年5月6日金曜日

オモテデモナクウラデモナクヨコ

 世の中には表と裏がある。それは硬貨など形があるもの、また本音と建前のように形のないもの。その他いろいろ。

例えばコピー紙に裏表があるけど、その側面を見ることはまずない。そのコピー紙の側面は字も書けないしなにも見えない、でもそのなんとなく見た瞬間のカーブしてる曲線の美しさだったりいびつさががヒントになることが良くある。嘘みたいな本当の話ね。

言葉として「その側面を捉える」とかよく使われるけども、実際には側面を捉えるのではなく「表側」「裏側」の「側」を見てるだけの体裁のいい言葉として使われてるような気がする。

このブログで過去に音楽的な意味で「サイドマン」の記事を書いたことがある。実際にこのサイドマン達の仕事のほとんどはメインの演奏を支えるバッキングをしている。「バッキング」と書けば完全な裏側である。しかし優秀なバッキングが出来るプレイヤーだけがサイドマンと呼ばれる人になれると信じてやまない。横にいると表裏同時に見えてるから、この立ち位置を利用して表側が薄くなったら、そっちに加勢して、厚くなる前にシレッと裏側に戻ってバランスを取る。

音楽的なサイドマンではないけど、知り合いにサイドマンって呼びたくなる人が数人いるんです。そして彼ら彼女たちのサイドマン的なところをさらにサイドから見るともっと素敵なんです。

ちょっとひねくれてる見方だけど、いろいろなものの見え方が違ってくる。この感じが今の自分に丁度いいのだ。だからスポーツも音楽もアートも横からのアプローチが楽しい。まだほんの一部しか見えてないから、この先のことを考えるとすごく楽しい。違った意味での「下手の横好き」ではあるが(笑)

「オモテデモナクウラデモナクヨコ」こう書くと、おまじないにしか見えない(笑)




2022年2月3日木曜日

奏でるスキー

 今冬はスキーに没頭している。雪がいっぱい仕事が暇、条件揃いすぎ(笑)

60歳も過ぎると結構キツいこともあるけど、ま、なんとか出来ている。


若い頃ブルースギターに傾倒してて、曲のkeyだけを決めれば、あとは自由気ままにアドリブプレイをするわけで、でも自分のワンパターンさにガックリくることあれば、新しいフレーズを見つけて歓喜することもある。後者は圧倒的に少ないけど(汗)


テレマークスキーの自由な感覚がブルースやジャズのセッションに近いと思う。kyeがその時与えられたスロープやゲレンデだとすれば、滑る道具はギターだったりベースやピアノなのかな?好きな楽器(スキー道具)で時にはセンターでプレイしたり、サイドで超かっこいいバッキングフレーズ奏でる。ただ皆んなが、同じフレーズやアドリブを弾くこと、それは一番つまらないことでもある。カッコいいアドリブもあればいまいちピンとこないものある、そんな感覚を大事にしながら滑りたいものだ。


昔はゲレンデに綺麗なシュプール描くことが好きだったけど、今は自由を奏でながら滑りたい。シュプールはその残響音みたいな感覚になってきたかな。


この年齢までスキーができてることに感謝しかない。